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【人気難関資格】気象予報士試験〜科目や合格率・難易度は?

2020年9月22日

 

ライト
こんにちは!ライトです。今回は気象予報士である私ライトが、超難関資格として知られ、人気資格でもある『気象予報士試験』について解説しようと思います。

 

気象予報士というと、誰もが聞いたことのある資格。
テレビで活躍している気象予報士は、もちろん、皆さん気象予報士資格をお持ちです。

「頭のいい人」しかなれない、というイメージのある気象予報士。

果たして本当にそうなのでしょうか。

この記事では、気象予報士試験について、徹底解剖していきます。

 

この記事でわかること

  • 気象予報士試験っていつから何のために始まったの?
  • 合格すると何ができるようになるの?
  • 試験日や試験場所、受験資格は?
  • 気になる試験科目は?
  • 合格率はどれくらい?難易度は?

 


気象予報士試験の歴史と目的

 

 

■意外と歴史の浅い気象予報士

ライト
気象予報士は国家資格の一つですが、意外とその歴史は浅いんです。

 

気象予報士試験が行われることになったきっかけは、以下の通りです。

 

気象業務支援センターHPより引用

平成55月に改正された気象業務法(第19条の3)の規定により,気象庁長官の許可を受けて予報業務を行おうとする者(民間の気象会社など業務として天気の予測を行う事業者,正確には予報業務許可事業者といいます)は,現象の予想を気象予報士に行なわせなければならないとされています。本試験は,その合格者が現象の予想を適確に行うに足る能力を持ち,気象予報士の資格を有することを認定するために行うものです。
引用:一般財団法人 気象業務支援センターHP

 

本文中に『合格者が現象の予想を的確に行う足る能力を持ち・・』とありますが、この能力とはどのような能力なのかというと、

 

気象業務支援センターHPより引用

1.今後の技術革新に対処しうるように必要な気象学の基礎的知識
2.各種データを適切に処理し,科学的な予測を行う知識および能力
3.予測情報を提供するに不可欠な防災上の配慮を適確に行うための知識および能力
引用:一般財団法人 気象業務支援センターHP

 

小難しいことが書いてありますが、要は、平成5年の気象業務法という法律の改正を受けて、気象庁だけでなく、民間の人にも天気予報をしてもらいたいけど、現象の予想(天気予報)をする人は、ちゃんと天気の知識がある人にやってもらわないと困るよね。
天気予報って、人々に災害から身を守ってもらうために行うものでもあるし。

といった理由で始まったわけですね。

 

ライト
たしかに、誰でも天気予報をしてもいいということになると、テキトーな情報が世に出回って大変なことになりますよね。始まった当初と違って、いまはもうネットで誰でも情報を得られるし流せる時代なので。

 

天気予報の情報は誰でも簡単に得ることのできる時代になりましたが、気象学や科学的な知識がないと、誤った解釈をしてしまい、デマ情報を流しかねません。

台風に関する情報とか、Twitter等でテキトーな情報が出回っているのを見ると、心が痛いというか、肝心なときに注意喚起につながらなくなるよ、と思ったります。

やはり、気象予報士制度は大事です。

 

 

■合格すると『自分で天気予報』ができる

さて、気象予報士試験に合格すると何ができるようになるのか。

 

 

自分で天気予報をすることができます!!

 

 

 

ライト
すみません。当たり前のことすぎましたかね。

 

でも、大事なことです。

先にお話したとおり、気象予報士試験に合格するということは、気象学や科学的な能力、防災上必要な能力が備わっている証。

このような能力が備わって初めて、自分で天気予報をできるようになるのです。

 

逆にいうと、気象予報士資格を持っていない人が、一般向けに天気予報をすることはできません。

 

「テレビに出ているお天気お姉さんって気象予報士じゃなくない?天気予報してるけど。」

 

と思った人。

 

実は、天気の解説なら、気象予報士じゃなくてもできます。

気象予報士資格を持っていないのにテレビで天気予報(天気解説)しているお天気お姉さんは、正確には気象予報士の書いた原稿を読み上げているに過ぎません。

それに対し、気象予報士は、自分で予報をすることが可能となり、それをテレビで話すこともできます。

 

ライト
自分で予報しているだけあって、気象予報士の解説は気持ちがこもりますよね。災害が起きそうなときとか、どれくらい危ない状況になるのか自分でわかるので。

 

 

試験日や試験場所は?受験資格はあるの?

 

 

■試験日は?〜年に2回のチャンス!〜

気象予報士試験は、毎年8月と1月の日曜日、つまり1年に2回行われます。

試験が日曜日ということもあり、お休みの人も多く、試験会場が遠方だとしても土曜日のうちにホテルにチェックインできるので、受験しやすい資格といえるのではないでしょうか。

 

ライト
国家資格は1年に1回しかないものが多いので、1年に2回挑戦できるチャンスがあるというのは、モチベーションの維持にも繋がりいいですよね。

 

■試験会場はどこ?〜意外と多い試験会場〜

試験会場は、北海道(札幌市)、宮城県(仙台市)、東京都(23区内の2会場)、大阪府(大阪市)、福岡県(福岡市)、沖縄県(那覇市)です。

 

宅建士など超人気資格と比べると受験人数の少ない気象予報士試験ですが、意外と会場数はあるんですよね。

ただ、日本海側の地域の人や四国の人は、近くに会場がないので、宿泊必須となりそうです。

 

会場になるのは、大学や専門学校のことが多いです。

ちなみに僕は、東京会場で3回受験したのですが、東京大学→駒澤大学→立正大学(ここで合格)でした。

 

悩みとしては、大学の大教室になるとイスが硬かったり、机が手前方向に傾いていて鉛筆が落ちる、冷房や暖房が強いor弱い、夏は台風、冬は雪の可能性があり電車など遅延しないか心配、などなど。

 

ライト
試験あるあるですが、勉強のほかにも、いろんな対策が必要です。

 

 

試験内容は?〜理系が有利とも限らない!〜

 

 

■試験科目は3つ〜ただしその中身は多い・・〜

試験科目は、一般知識、専門知識、実技の3つです。

 

ただ、このあと細かくご説明するのですが、一つの科目の中身が非常に多く、勉強範囲は広いです。

 

ライト
まぁ、試験範囲が広いのは、どの国家資格にも言えることですね。気象予報士試験は中身が特殊ではあるものの、宅建や行政書士とかに比べると、範囲は狭いと言えそうです。

 

 

一般知識と専門知識はマークシート式で、一般知識、専門知識、それぞれ15問ずつの出題です。
試験時間は、それぞれ1時間です。

 

実技は記述式ですが、ビビる必要はないです。
解答するのは、穴埋めに対する答え、15〜50時程度の記述、前線等の作図などです。
数千文字の論文などが出るわけではないので、ご安心ください。
実技は2つ(例:台風の日の天気図と雪の日の天気図の問題など)あるのですが、試験時間はそれぞれ75分です。

 

試験を全部受けるとなると、昼間丸々つぶれます。
ただ、これがあっという間なんです。
特に実技は時間切れで回答できず、なんてことが続き、僕はようやく3回目の試験で合格しました。

 

ライト
大学の硬いイスで一日過ごすのは辛かった。。

 

 

■一般知識

ライト
ここからは、それぞれの科目の中身を細かく見ていきたいと思います。

 

まずは、一般知識の内容です。

 

一般知識の内容

①⼤気の構造
②⼤気の熱⼒学
③降⽔過程
④⼤気における放射
⑤⼤気の⼒学
⑥気象現象
⑦気候の変動
⑧気象業務法その他の気象業務に関する法規

 

簡単に言うと、一般知識は数学、物理、地学がメインです。
理系の方や大学で気象学を勉強している人はけっこう解けると思いますが、逆に文系の人は複雑な計算問題が出題されることもあるので、ちょっと苦労するかもです。

 

上記、理系的な問題に加え、法律問題があります。
気象業務法や水防法、消防法、災害対策基本法などですね。

 

計算が苦手な文系の方は、法律問題が全15問中4問出るので、全部落とさないようにするのが攻略ポイントです。

 

■専門知識

 

専門知識の内容です。

 

専門知識の内容

①観測の成果の利⽤
②数値予報短期予報・中期予報
③⻑期予報
④局地予報
⑤短時間予報
⑥気象災害
⑦予想の精度の評価
⑧気象の予想の応⽤

 

専門知識は、観測機器の知識や、予報するために使っているコンピュータの計算の仕組み、注意報・警報などについて問われます。

こちらは、理系や大学で気象学を学んでる人も含め、ほぼ誰もが一から勉強する内容だと思います。

計算問題も多少あるものの、気象予報士になりたい気持ちが強い人=天気好きな人なら、わりと簡単に突破できるでしょう。

 

ライト
僕も専門は楽勝でした。覚えることは多いですが、一般が学問・お勉強だとすると、専門は気象予報士っぽい、天気っぽい問題なので、勉強が楽し受かったです。

 

■実技

 

最後に実技です。

実技の内容

①気象概況及びその変動の把握
②局地的な気象の予報
③台⾵等緊急時における対応

 

ライト
実技と聞いて、天気棒を持っていったのはどこのどいつだ〜い??おれだよ!!(笑)だって、テレビみたいに解説すると思ったんだもん!

 

ということで、テレビのように人前で解説したりしません(笑)

実技は、2〜3日先までの天気が10枚くらい配れて、実際に天気図を解析して(読み解いて)、問題で問われたことに対し記述で解答するというものです。

 

気象予報士試験で出てくる天気図は、天気が荒れた日の天気図です。
これは、防災を大事にしているためです。

具体的には、台風や前線による大雨、爆弾低気圧(発達した低気圧)、大雪などの日の天気図です。

 

実技試験はとにかく時間がないです。
75分もありますが、それでも足りない。。

これは、実際に働き始めたときに、サクッと予報でくる人を求めているためです。

 

ライト
そりゃそうですよね。天気予報している間にも天気は止まらず変わっていっているわけですから、ゆっくりやっている暇などありません。

 

ライト
余談ですが、気象予報士試験では穏やかな日の天気図が出題されないので、気象予報士として仕事を始めたときに最初にぶつかる壁は、穏やかに晴れた日の天気図をどう読み解くのかわからないということです。やり方がわからなくて。。

 

■理系が有利とも限らない?

 

ライト
さて、気象予報士試験の内容を見てきましたが、「数学や物理の計算、コンピュータの仕組みって、もろ理系じゃん!!」と思った文系の人。実は文系も勝ち目がありますよ!!

 

たしかに、理系科目が多いです。
だって、気象ですから。

 

でも、一般知識には法律問題が全15問中4問も出ますし、専門科目は一部計算問題を除きほぼ暗記、実技は記述ですからむしろ文系の人のほうがスラスラ書けちゃいます。

 

ライト
いかがですか?ちょっとできそうな気がしてきませんか?僕もどっぷり文系でしたが、専門知識と実技は大得意でしたし、とても楽しかったです!一般知識は苦労しました(笑)

 

逆に理系の人は、実技で苦労するかもしれません。
理系の人は、記述で決められた文字数に収められない人が多い印象です。
ポイントを絞って話をまとめることがきっと苦手なんでしょうね。
細かいことが気になりすぎて、あれやこれやと書いているうちに文字数オーバー。

 

ライト
余計なことを書きすぎると、減点の対象になります。ポイントを絞って話をまとめることが苦手な人は、問題で何を聞かれているのか、しっかり見定める練習をしたほうがいいです。

 

ライト
そうだ、あと、文系も理系もですが、地理が苦手な人は実技で苦労します。日頃から地図を眺めて、どこになんという名前の山や川、海があるのかを覚え、地名(地方名も市町村名も)もできれば詳しく覚えられている状態にしましょう。

 

 

気象予報士試験の合格率や難易度は?

 

 

ライト
僕は気象予報士だと名乗ると、必ず、「気象予報士試験ってかなり難しいんですよね?」とか、「頭いいんですね!」とか言われます。

 

たしかにかなり難しいかもしれない。
でも、頭がいい人が受かる試験だとは思わない。
天気が好きで、諦めない心がある人であれば、誰もが受かる試験だと思います。

 

■合格基準はわりと易しめ

 

まず、合格基準を見てみましょう。

 

合格基準

一般知識:15問中11問以上正解

専門知識:15問中11問以上正解

実技:総得点が満点の70%以上

※ただし、一般、専門、実技ともに難易度により合格点を調整する場合あり。

 

ライト
意外と易しいと思いませんか?「勉強の範囲が広い、トリッキーな計算問題が出る可能性がある、でも、けっこう間違えていいんだ」。僕はこう思いました。

 

受験者全員の出来により合格点が調整されることがあり、この点より高くも低くもなることがあります。

試験ができなくても、全体的にできていなければ、合格点は下がるので、早々に諦める必要はないのです。

ライト
試験中に諦めないメンタルが大事!!

 

■合格率は4〜5%

 

これまでの気象予報士試験の合格率を見てみると、4〜5%程度です。

 

 

ライト
最初のほうの試験で合格率が高いのは、これまで気象に関する仕事をしてきた知識のある人が、気象予報士試験が始まったことで一気に受けたためです。

 

ライト
その後は、4〜5%程度と合格率がかなり低く、超難関資格な感がありますが、僕はそこまでビビらなくてもいいかなと思っていまして、この4〜5%にはカラクリがあると考えています。

 

合格率4〜5%のカラクリ

①興味本位で受ける人が多い

②学生時代の偏差値とは比例しない

 

まず、①の興味本位で受ける人が多いことについて。

 

よく、超難関の弁護士や公認会計士の合格率と同じくらいと言われることがあります。
気象予報士も弁護士も公認会計士も、合格率が数%だから。

でも、僕は、これはナンセンスな比較だと思っています。

なぜなら、弁護士や公認会計士は本気で目指している人が大半の試験ですので、本気で勉強している人たちの中での争い。

それに対し、気象予報士は、以下で述べるように興味本位で受ける人も多く、本気度の低い人が混じった中での争い。

つまり、同じ合格率数%だからといって、その意味合いは全く違うと思います。

 

 

気象予報士というと、やっぱり最初にイメージするのはテレビの天気予報ではないでしょうか。

つまり、気象予報士の資格を取って、テレビに出られたら・・とか、アナウンサー試験で有利になるかも・・とか、きれいなお天気お姉さんとお近づきになれるかも・・とか、そういう動機で受ける人が多い資格です。

 

一部、本当に本気で頑張って、アナウンサーになられたり、実際にテレビでお天気キャスターを務められている気象予報士の方もいらっしゃいます。

しかし、大半は、そんなに強い気持ちで受けているわけではなく、興味本位の人が多いので、受験者全員がレベルが高いわけではありません。

 

本気で勉強している人の合格率を出してみると、きっと4〜5%よりも格段に高いのではないでしょうか。

 

 

 

次に②の学生時代の偏差値とは比例しないについて。

 

こちらはカラクリというか、合格する人みんながみんな、学生時代に勉強ができた人たちばかりじゃないよ。だからビビらないで、諦めずに勉強してね、というメッセージを送りたいなと思い、書きました。

 

気象予報士試験の内容について先にお話しましたが、たしかに一般知識は理系や大学で気象学を学んでいる人が有利かもしれない。
でも、一般知識の気象業務法や専門知識、実技なんかは、正直、学校で習わないことがほとんどなので、みんなほぼ横一線のスタートなんですよね。

 

だから、合格率4〜5%という数字を見て諦めないでほしいです。

 

ライト
僕も、学生時代、数学は赤点ばっかりで、気象予報士の勉強を始めるときに、中学の数学からやり直しました。ほんとに。

 

それでも、気持ちが強ければ受かる試験です。

 

ライト
低い合格率や、頭のいい人が受かる、みたいな噂、イメージが独り歩きしている気象予報士。でも、なりたい人がなれるもの。皆さんのチャレンジを応援しています。

 

 

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ご覧いただき、ありがとうございました!今回は以上です。

 

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